FAQとは?
FAQと聞いて、「よくある質問」サイトやFAQシステムを真っ先に思い浮かべる人が多いようです。しかしFAQとは、そういったサイトやFAQシステムに投入する中身。つまりコンテンツです。
ネットで調べると、FAQとは、Frequently Asked Questionsの略ですよ、と書かれているだけでその本質が述べられていないものが多いです。FAQの本質は「質問」です。もっというと、質問文です。つまりユーザーの困りごと、状況、知りたいことを具体的に表した質問文。その本質を追求しないとFAQを語る資格はありません。
FAQの本質 回転寿司屋の寿司のたとえ
FAQの本質に、偏った認識があると大きな失敗を招きます。成果を出すためのコスト(お金や時間)の使い方を間違えて投資が無駄になる可能性があります。
FAQの運営を回転寿司屋と照らし合わます。回転寿司屋で最も大切なのは回転ベルトコンベアでもタッチパネル式の注文システムでもなく、寿司そのものです。まずい寿司で商売がうまくいくわけがありません。回転ベルトコンベアやタッチパネル式の注文システムがどれ程優れた最新のものであっても、不味い寿司をわざわざ食べにくる人はいません。システムは全く意味をなさないです。重要なのはコンテンツである寿司です。
現実の問題として、偏った認識のある多くの企業ではFAQサイトやFAQシステムだけに多くのコストを費しています。そういった企業はFAQコンテンツ(寿司そのもの!)の制作にあまりコストをかけず非常に質の低いものを公開しています。FAQサイトやFAQシステムにコストをかけるなら、FAQにも同じぐらいかそれ以上のコストをかけるべきです。そうしないとFAQ運営はうまくいきません。
FAQの質と、ダメなFAQ
FAQの質を語る場合に、ダメなFAQを引き合いに出すと分かりやすいかもしれません。
品質が悪く美味しくない寿司は分かりやすいですが、質の低いFAQつまりダメなFAQとはなんでしょうか。一言で言うとユーザーの分からないことを解決できないFAQです。
ユーザーを解決に導けないダメなFAQのパターンは、文章が幼稚か下手か間違っているかです。そんなFAQをいくら大量に準備してもよりユーザーへの被害をひろげるだけです。それからダメなFAQはFAQシステムを十分に活かせません。つまりFAQシステムの検索機能をしても探してもらえないのです。
AIと銘打ったシステムを導入して失敗する話をよく聞きます。回転寿司屋同様、ほとんどのケースでFAQの質が悪いことが原因です。AIが自動学習をするといいますが、質の悪いコンテンツ(FAQ)とは質の悪い教科書のようなもので、そのようなもので学習してもよいサービスになるはずはありません。
ダメなFAQのダメな点を全て払しょくできるのが質の高いFAQです。
運営の間違い、システムの無駄
ずばり、FAQの間違いを列挙します。
× FAQの数が多すぎ FAQはQ&Aサイトではない。分析に基づいて少数精鋭がFAQのはず。
× メンテナンスしなさすぎ 放置は最悪。VOCを吸い上げないサイトは顧客対応意識も問われる。
× システム使いなさすぎ せっかくのFAQシステムを全く活用していないお金の無駄使い。
× FAQの文章へたすぎ 客も制作者も困るような文章力のFAQが多すぎ。企業の体質も問われる。
× ユーザー解析しなさすぎ 企業目線の用語、カテゴリ分け・・などユーザー声が反映されてない。
企業のFAQは大丈夫か
いろんな企業のFAQをこれまで見てきましたが、残念ながらダメなFAQが圧倒的に多いです。ダメなFAQのためユーザーにも迷惑をかけ、FAQシステムや運用への投資は無駄になり、経営にも悪影響をしています。
ダメなFAQを良いFAQに書きかえるだけで最低でも2倍は効果が上がるポテンシャルがあるので、放置するのはもったいない。「ほかの会社もみんなダメなら、うちもいいや」ではいけません。「みんなダメならば、今のうちにうちは良いFAQを準備しよう」と考えましょう。
改めて言うとコンテンツとしてのFAQはとても重要です。FAQは特別な技術知識がなくても質を良できます。ほとんどは文章を書くことだからです。
良いFAQの書き方を本にまとめました。FAQの書き方だけにクローズアップした本はこの本だけです。
良いFAQはユーザーも企業もFAQシステムベンダーも、求めている利益を生みます。